ミネラル島の大冒険・14 ~セレン編~

我々人間に必要不可欠なのに、今や絶滅の危機に瀕しているモノたち——

それがミネラル族である

知られざる彼らの生態を探るべく、我々はミネラル族が暮らす「ミネラル島」に上陸した…

ミネラル島の大冒険・14 ~セレン編~

【調査13日目】

 

その日、我々は島の東部に位置する霧が立ちこめる深い森の中をさまよっていた…

 

というのも、非常に方向音痴な隊員が時計を持ったウサギを見つけて追いかけ

その隊員を別の隊員が追いかけ

またほかの隊員がそれを追いかけ

そして一人ぼっちで心細くなった私が隊員を追いかけ…

などとしているうちに、我々は完全に迷子になっていたのだ

 

何時間も歩き続け、全員が諦めかけた時だった

霧が晴れ、ひっそりとした集落が現れたのだ

その雰囲気はどこか神秘的で、静寂のなかにも芯のある気配が感じられる

――そこは、セレン族が暮らす集落だった

 

我々は、幸運にもセレン族の長と対面することができた

物腰は柔らかいが、言葉の端々に知性と自信がにじむ人物である

 

「我々セレン族の仕事は、目立たずとも極めて重要です。活性酸素と戦う抗酸化防衛部隊として、日々ヒトの細胞を守っています」

 

なんと、驚くべきことに、セレン族は身体の“サビ”を取り除き、老化や免疫低下といった敵からヒトを守る役割を担っているというのだ

 

長の案内で、食材を育てるエリアへと進む

そこには、美しく手入れされた菜園や畜舎が広がっていた

 

「この森には我々の“住処”が点在しています。たとえば…」

長は指をさす

 

ひときわ目立つ大木にはブラジルナッツが実っており、まさにセレン族の本拠地

1粒で1日分のセレンが摂れるというスーパーフードだ

 

また、生け簀にはマグロやカツオ、サーモンなどの魚が泳ぎ

草原では鶏や牛がのんびりと過ごしている(卵、レバー、肉もセレン族の仲間たちだ)

畑にはにんにくやたまねぎ、玄米など、根を張る野菜・穀物が多く育てられている

 

「我々は海と山、両方の恵みに生きています」と長は誇らしげに語った

 

隊員のひとりが、ナッツをぽりぽりとつまみながら呟いた

「…こりゃ、セレンってやつ、なかなか頼りになりますねぇ…」

 

少量でも圧倒的な働き——まさにミネラル界の名脇役・セレン

補給食リストにナッツ・魚・肉・卵・にんにくをしっかり加えておこう

関連記事

2025年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
ページ上部へ戻る